[From "Mastering the Unpredictable" presentation by Keith Swensonさん (BPMinna) : ATND]
先日、7月2日の金曜日に、Mastering the Unpredictableの主要な著者の1人であるKeith Swenson氏の講演(といってもレストランで実施されたアットホームな取り組みでしたが)イベントに参加してきました。
日本BPM協会の方などが参加されるBPM周辺の意欲的な方々による勉強会、という趣きの会で、色々と刺激を受けました。
Mastering the Unpredictableで提起されているAdaptive Case Management(ACM)は、既存のBPMが効果を出しにくい領域、ドラッカーが言うところのKnowledge Workerの生産性向上を目的とした取り組みである、とされています。これまでのBPMがプロセス中心の考え方で、予めかっちりと定義されたプロセスに、個別のデータを流しこむ形で運用されていたのに対し、ACMではデータが中心にあってプロセスの方がその都度構成される、というデータ中心の考え方になっている、という説明もありました。
具体的なシステムへの落とし込み方法について、明確な解はあるいはまだ存在しないのかもしれませんが、Keithさんが所属しているFujitsu Americaの製品では、Knowledge Workの領域に関しては厳格に定義されたBPMN(あるいはシステム側でいえばBPEL)などではなく、タスクの順番や追加・削除がある程度自由に行えるチェックリストのようなものが都度作成される、という説明がありました。確かに、明らかにルーチンワークであるような仕事でない限りは、チェックリストぐらいの表現力が適しているような気もします。
また、彼らが提唱するAdaptive Case Management以外にも似たようなアイデアが、IBMからはAdvanced Case Managementとして提案され、ForresterはDynamic Case Managementというキーワードで整理を試みている、という紹介もありました。その意味では、まだACMという略語が一般化するかどうかは分からない、という面もあるのかもしれませんが、Mastering the UnpredictableはBPMの領域でキャリアを積み上げてきた錚々たるメンバーによる著作ですし、そのインパクトはそれなりに大きいのではないかと思います。(隣接業界とは言え門外漢なので、本当によく事態を理解しているわけではないんですが・・・ ただ、この本の作者たちが既存のBPMに対する課題意識を議論した場所がAlfresco社のオフィスがある街だったらしい、というところに多少の縁を感じます)
Case ManagementはBPM業界だけでなくECMの分野からの言及も増えてきているようですので、今後も継続してリサーチをしていこうと思います。
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)
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