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最近、何度かお打ち合わせをさせて頂いている会社の1つに京都のクレアリンクテクノロジーさんがあります。元々TCP/IPなどの通信の高速化技術を持たれているベンチャー企業で、最近ではそのテクノロジを援用した電子カタログプレイヤなどの製品も展開されています。(電子ブックというとE-ink製品だと思われてしまいそうなので、電子カタログとしましたが所謂電子書籍を作成・閲覧するための製品です)
通常、IRMやDRMの仕組みとAlfrescoなどのECMのコア製品は別れています。Alfresco単体でももちろんユーザ毎の権限管理はできますが、リポジトリ上での「読み取り」権限の保持者は、Alfrescoから当該コンテンツをダウンロードできてしまうため、コンプライアンスに重点をおいたニーズにはそのままだとマッチしないことも多いのが現状です。かといって、あまり重厚な施策や広範なオプションを製品そのものに抱え込むことも得策であるとは思えません。Alfrescoの場合は、案件毎の作り込み部分を極力快適に行えるようにしていく、という対応をとってきています。そうした対応の選択肢として、クレアリンクテクノロジーさんのAeroBrowserが使えるのではないか、ということでご紹介を頂いたのが縁で、何度か社長の水原さんとディスカッションの機会を持たせて頂いてます。AeroBrowser自体も非常に興味深く、またこの主の製品としては珍しく仕様を公開する方向で開発されているので、近い将来連携のソリューションを作ることができるのではないかと期待しているところなんですが、先日まったく別の角度で実りのあるお話をお聞きしたので備忘としてポストしたいと考えました。
別の角度、というのはクレアリンクさんとしてはむしろ本業である、ネットワーク高速化の分野についてです。AlfrescoはCIFSプロトコルのサポートを1つの売りとしていますが、プロトコルそのものの制約故に遠隔地にあるクライアントからの接続にはこの機能はほとんど利用できないという問題点があります。CIFSプロトコルは最近では非常によく使われているプロトコルであるため(だからこそ「無法地帯と化した共有フォルダ」問題、に対する解としてのAlfresco、というストーリーがありえるわけですし)、この問題を解決する製品というものいくつか市場には存在します。要するに専用のキャッシュを積んだゲートウェイを用意するという方式のものが一般的なんだそうですが、クレアリンクさんのように圧縮や最適化による高速化というのも実用段階にあるようです。また、MicrosoftもVista移行ではプロトコルのバージョンを上げる形で、新しいOSの間では問題はある程度解決されて来ています。
今回水原さんから色々と教えて頂いたおかげでWANアクセラレータの動作特性や効果についてある程度定量的な理解ができたように思います。AlfrescoのCIFS問題についても、すべてがすぐに解決するわけではありませんが、対応の指針が見えてきました。是非具体的な検証をしてみたいと思います。
(通常所謂NAT越えが必要な場合はCIFSのかわりにWebDAVを利用することが推奨されています。この場合もクレアリンクさんの製品による高速化の恩恵を受けることができそうです)
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)
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