Amazon.co.jp: チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus): 池田 尚史, 藤倉 和明, 井上 史彰: 本: "本書はサービスやアプリケーションを開発する企業において、複数の人たちでチームを組んで開発を進めていく際に必要な考え方や使用するツール、またそれらをうまく使いこなすためのノウハウをまとめています。本書の最初でうまく物事が進んでいない開発現場の一例を示し、その理由と対策についてまとめています。次にその対策に必要なツールである、バージョン管理、チケット管理、CI(継続的インテグレーション)、デプロイ、リグレッションテストの章を設け、その使い方と上手な運用ノウハウなどについて現場での経験が豊富な著者がまとめています。"
(Via Amazonの内容紹介.)
昨日の移動中に読みました。友人の本、といっても共著の3分の1ですし、献本もしてもらっていないレベルなのでステマではないと思うんですが、すごく良い本だと思うのでご紹介を。
内容については引用した通りなんですが、まさに今このタイミングで書籍として出されるべきもの、という感想を持ちました。友人は自らの筆の遅さを嘆いていた気もしますが、タイミングとしてはまったく悪くないと思います。
ITコーディネータとしての活動でも、本業(?)のコンサルティングのお客様との会話の中でも、システム開発の環境が大きく変わってきていて、新しいツールや方法論の導入にはかなり具体的なメリットがある、というお話をさせて頂く機会があります。最近は特にそういう話題が増えている気がします。
特にITコーディネータの方の繋がりだと年齢層が高くなるためか、「アジャイル」というキーワードに対してどういう態度を取るか、というのも現在進行形の議論だったりします。当然、要件要求の反映の仕方とか、ITとビジネスの関係性とかって語り口になるんですが、実際にはこの本で紹介されているようなツールの支援があって初めて現実的に仕事のやり方を変えていくことができる、という実感があります。(ツールの導入自体も業務改革ではあるんですが、変えた方が良い理由、変えることができる理由を捉えるにはツールの実態に踏み込んだ理解が必要だと思います)
筆者の一角を担っている僕の友人は、外資系のコンサルティングファームでのERP導入の現場も、国内パッケージベンダの開発や保守の現場も、B2B分野での国産クラウドサービスの開発という希有な環境もよく知っていて(最近では時流に乗りすぎてコンシューマ向けの世界に行っちゃいましたけど)、従来型の働き方の問題点の捉え方や表現の仕方のバランスが非常に良く取れていると感じました。本人は見た目からして偏屈な頑固親父風なんですが。
今、仕事としてのソフトウェア開発の環境を改善する(まだ十分に普及していない)技術が同時多発的にでてきています。この本では、それらをある種満遍なく紹介しつつ、現場のどういう問題を解決するのかを具体的なシナリオを提示しながら説明しています。
- どんな問題があるのか
- どんなツールがあるのか
- どう使うのがお薦めなのか
機能的な使い方も大事ですが、この手のプロ向けのツールは色んな使い方ができるようになっているので、運用ルールを決めるのが難しくそこが隠れた障害になります。最近では、技術系のBlogなどを調べていけば、こうした運用上の工夫を公開してくれている記事もたくさんあるにはあるんですが、そこはそれぞれ1チームの例だけになってしまうことが多いですし、情報自体も分散しています。
書籍になっていることで、こうした情報がまとめて把握できますし、何よりチームメンバーとまわし読みすることができます。これは非常に意味があることだと思います。社会的な貢献、と言えそうなくらいです。
業務系のシステムを開発している会社こそみんな買った方がいいですよ!
#あー、でもコンシューマ系よりもエンタープライズ系は遅れてるし地味ですよね、みたいなテイストになると6月のパネルセッションが苦しくなる気も・・・
#いや、その前に自分の仕事の仕方を・・・
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)
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