実は5年くらい前から持っていながら全然実行に移せていないアイデアなんですが、ECMのようにアクセス権管理を主とするシステムのUI設計には、ユニバーサルデザイン的なガイドラインを作る余地があるのではないかと思います。
「全体に公開」「グループにのみ公開」「自分のみアクセス可能」な情報・コンテンツは一貫して色分けしておくことで、アクセス時に直感的にその領域の管理状況が把握できるようになる。
のではないでしょうか。
ではどんな色に? と考えると、3段階の公開レベルですので青赤黄の信号機カラーにすれば良さそうです。それについては反対意見はあまりないのではないかと思います。しかし、ここで1つ問題があります。果たして最もオープンな「全体に公開」と、最も安全な「自分のみアクセス可能」はどちらが青(グリーン)であるべきでしょうか?
一般的には、前者の青(グリーン)とみなす人が多いかなとは思うのですが、(特にECMのインプリの現場では)自明だとは言えないのではないでしょうか。アクセス権の絞り込みを機密性の観点で、「部内費だからグループ限定」などの目的で設定している場合もあれば、情報共有の観点で「まだドラフト状態なので自分のみアクセス可能」という目的で設定している場合も両方あり得る、というような、ECM自身が抱えている各機能がリポジトリの上にのるアプリケーション・業務プロセスによって異なる使われ方をする、という特徴によるものであると思われます。(アプリケーションとしてもミドルウェアとしても利用される、と言い換えても良いかもしれません)
ということで、誰か先行事例があればそこにあわせようと思っていたのですが、なかなかこれというものに巡り会わないうちに、世の中がソーシャルブームになってしまいました。こうなってくると、部署内ではなく「友達」もしくは「友達の友達」への開示が「黄」ゾーンという形になるでしょうか? Google+のサークルの色分けが参考になるかとも考えましたが、やはり目的が違うのでスマートな印象の青や緑のタグがつくデザインになってしまっています。
ソーシャル系のツールが本格的に企業内に入ってきて、BYODも進んでいってしまうとなると、どの範囲でつぶやいているのか、つぶやかれているのか、を直感的に示すデザインには一層のメリットがありそうだと思うのですが。
(文責 Ishii Akinori IT-Coordinator)
最近のコメント