2009年6月23日に国際会計基準審議会(IASB)が経営者による説明(management commentary)についての公開草案を公表しました。
国際財務報告基準(IFRS)によるアニュアルレポートをご覧になったことがあるでしょうか。カラフルで立派な冊子で、グラフや図、写真も多く、日本の有価証券報告書とはかなり印象が違うと思います。
内容もビジネスの状況についての説明がかなりボリュームで、読み応えがあります。
今回の IASBによる公開草案は経営者がアニュアルレポート内で行う説明についてのガイドラインで、どのような説明をすべきか、原則を示しています。IASBによるとこれはあくまでもガイドラインで具体的な開示内容については各国の規制当局が定めるものとしています。
では、IASBは経営者が何を説明すべきと考えているのでしょうか。
公開草案では以下の項目が示されています。
(a) 事業内容の説明
(b) 経営の目標、戦略
(c) 企業の重要な資源、リスク、関係
(d) 事業の結果、今後の見込み
(e) 目標に対する重要な経営指標
項目としては特に目新しさを感じることもなく、投資家に対する説明としては当然というところでしょうか。
私が公開草案の中で注目したい点は将来の方向性を示すことが重要と考えているところです。
会計が扱うのはあくまで過去情報ですが、財務諸表利用者に有用な情報を提供するための補完の役割が明確になっています。
日本でもいよいよIFRSの適用にむけて動き出しています。経営者が現状をどのように考え、何を目指しているのか、外に対して積極的に発信する姿勢が大切になるでしょう。
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