リンク: Content Log: The Stockdale Paradox.
ビジョナリーカンパニー2で引用されたことで昨今よく名前を聞くようになった《ストックデールの逆説》ですが、Alfresco 会長の John Newton のBlogでも言及されていました。(元が英語圏の話ですから、向こうで有名なのは当たり前なのかもしれませんが)
《ストックデールの逆説》というのは、ベトナム戦争の時に幾多の拷問に耐え捕虜収容所から生還した James Stockdale 将軍の言葉から来ているそうです。「最後には必ず勝利するという確信を失ってはいけない。だが、この確信が、自分が置かれた状況の中でもっとも厳しい現実を直視する視線を歪めることがあってはいけない」というような意味合いの言葉だったようです。成功の確信を持ち続けることと、シビアな現実と対面し続けること。これが相反する方向性であると同時に、経営者に求められる資質そのものだ、ということでビジネス用語として「逆説」と呼ばれるに至ったのだと思います。(厳密にはいわゆるパラドックスにはなっていないのではないかと思いますが)
ところでBlogの記事によると John Newton は James Stockdale 本人に会ったことがあるようです。子供の頃の話で、当時は特に感銘を受けることはなかったようですが(収容所で厳しい生活をしてきた人が子供受けする語り口で応対したとは思えませんし)、今こうしてビジネスの文脈でその発言と「再会」するとまた違った受け止め方があるということでしょう。その後ヨーロッパに渡り、また企業家として生きていく中で考えてきたことと重なる部分が大きいと言っています。そして、今は順調にいっている Alfresco のビジネスにも油断は禁物であるとも。
《ストックデールの逆説》などのキーワードに対する取り上げ方は、英語圏も日本のBlogも似ているところがあって面白いと思いました。Blogのメディアとしての性質なのか、日本がアメリカの後追いをしているのか、それとも別の理由があるのか。今後も機会があれば、Alfrescoのビジネス的な哲学についての記事も紹介してみたいと思います。
(文責 Ishii Akinori)
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