リンク: PM Conference 2006.
PDU(PMPの資格維持に必要なポイント)確保のためという下心も秘めつつ、PM Conference 2006へ行ってきました。PMノウハウそのものを扱った発表はむしろ少数派であり、「モデリング」とそのための「表記法」を扱ったものが多かったという印象です。
もちろんJ-SOXに絡めた内部統制関係の発表もありました。ツールの使い勝手だけでなく、業務担当者とのコミュニケーションを意識した表記法の必要性が繰り返し主張されていたことも印象的でした。J-SOX対応のための文書化プロジェクトの成果物を過大評価することは危険だが、そのままにしておくのはあまりにももったいない、ということで、各業務の詳細マニュアルやそこで使用すべき文書へのテンプレートへのハイパーリンクをはって全社的に公開するという事例が紹介されていました。確かに適切な活用方法と言えるかもしれません。
初日一番最初のプロジェクトマネジメント学会の冨永さんのセッションが個人的には一番面白かったです。「パーソナルPMの勧め」というもので、個人プロジェクトの管理をモダンPMの手法で取り扱う「パーソナルPM」についての解説でした。
個人規模のプロジェクトですから、階層性や組織の問題は出てこずコミュニケーションもほとんど必要ありません。したがってその実態はほぼToDoリストの管理ということになり、いわゆる「ライフハック」に近い世界になります。発表の中では、単なるToDoから、作業時間見積もりの追記、そして、さらには作業時間実績の追加という進化の過程とその劇的な効果が強く主張されていました。(実際に行うのは大変ですが)
また、類似ジャンルとして自己啓発的な「成功哲学」にも言及され、アメリカの書籍類について調査した結果として「約50の成功哲学が存在する」と断言されていました。「成功哲学」と一言で言ってしまうと、いかにも巷に溢れる・・・という気がしてしまいますが、実際に収集しモダンPMの文脈から分析を行われているというのはさすがです。
(文責 Ishii Akinori)
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